【経営者向け】雇い止め・契約更新の注意点と令和6年4月改正対応

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有期契約社員(パート・アルバイト・契約社員)の契約更新や終了(雇い止め)をめぐるトラブルは、企業にとって大きなリスクです。特に令和6年(2024年)4月からの労働条件明示ルールの改正に伴い、契約書の記載事項や説明義務が強化されました。 厚生労働省の基準に基づき、経営者様が知っておくべきポイントをQ&A形式で解説します。

Q1.契約期間が満了すれば、手続きなしで契約終了としても問題ありませんか?

いいえ、場合によっては「30日前までの予告」が必要です。

契約期間が決まっていても、自動的に終了するとは限りません。以下のいずれかに該当する有期労働契約を更新しない(雇い止めする)場合、使用者は少なくとも契約期間満了日の30日前までに予告をする必要があります。

  • 有期労働契約が3回以上更新されている場合
  • 1年以下の契約が更新され、通算して1年を超えて継続勤務している場合
  • 1年を超える契約期間の契約を締結している場合

トラブル防止のため、対象者には早めの面談と通知を行うことが重要です。

Q2.従業員に「なぜ更新してくれないのか」と理由を聞かれました。どう答えるべきですか?

「期間満了のため」以外の具体的な理由を明示する必要があります。

従業員から雇い止めの理由について証明書を請求された場合、会社は遅滞なく交付しなければなりません。この際、単に「期間満了」とするだけでは不十分であり、以下のような具体的な理由を示す必要があります。

  • 業務を遂行する能力が十分ではないと認められるため
  • 事業縮小や担当業務の終了・中止のため
  • 前回の更新時に「今回で更新を最後にする」と合意していたため
  • 当初から設定していた更新回数の上限に達したため

Q3.何度も更新してきた従業員を雇い止めする場合、どのようなリスクがありますか?

「雇い止め法理」により、契約終了が無効になるリスクがあります。

労働契約法第19条により、過去に反復継続して更新されており「実質的に正社員の解雇と同視できる場合」や、労働者が「契約は更新されるだろう」と期待することに合理的な理由がある場合は、雇い止めが認められないことがあります。 この場合、客観的・合理的な理由がなければ、従前と同一の労働条件で契約が更新されたものとして扱われます。

Q4.令和6年4月の法改正で、契約更新の手続きはどう変わりましたか?

「更新上限の明示」と「変更時の説明」が義務化されました。

令和6年4月1日以降、有期労働契約の締結・更新時に以下の対応が必須となりました。

  1. 更新上限の明示 労働条件通知書等に「通算契約期間は5年まで」「更新回数は3回まで」といった上限の有無と内容を明記する必要があります。
  2. 上限新設・短縮時の説明 更新上限を新たに設けたり、期間を短縮したりする場合(例:上限なし→上限5年に変更)、その理由をあらかじめ労働者に説明しなければなりません。
  3. 無期転換ルールの説明 通算5年を超える契約更新時には、無期転換(正社員等への転換)の申込権が発生することを明示し、転換後の労働条件についても説明する努力義務が生じます。

【労務トラブルの予防は専門家へ】

有期雇用契約の管理は、法改正への対応と現場の実態に即した運用が求められます。 「現在の契約書が新ルールに対応しているか確認したい」「雇い止めに関するトラブルを未然に防ぎたい」とお考えの経営者様は、ぜひ当事務所へご相談ください。

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