「日々の人事労務業務に追われ、本来注力すべきコア業務に手が回らない」と感じている企業のご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。

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この記事では、【バックオフィスDX】の基本的な考え方から、人事労務業務の【業務効率化】を実現するための具体的な方法まで分かりやすくご説明いたします。

DXを通じて貴社の人事労務部門を次のステージへと進化させるヒントをお届けしますので、ぜひご一読ください。

1. バックオフィスDXとは?なぜ今、注目されているのでしょうか

バックオフィスDXとは、経理・人事・総務といった企業の間接部門が担う業務プロセス全体を、デジタル技術の活用により抜本的に変革していくことを指します。単なるITツールの導入にとどまらず、業務フローや組織文化そのものを変えていくことがDXの目的とされています。

政府も、企業の生産性向上や国際競争力強化のために、このDX推進を重要な経営課題と位置づけ、様々な施策を通じて後押しをしています。特に、人事労務分野におけるDXは、以下のような理由で企業の成長に不可欠であると考えられます。

  • 人手不足への対応: 定型業務の自動化により、

貴重な人材をより戦略的な業務へ配置できます。

  • コンプライアンス強化: 法改正への迅速な対応や、

正確な情報管理を可能にします。

  • 従業員満足度向上: 煩雑な手続きを簡素化し、

従業員が本業に集中できる環境を整備します。

2. 人事労務におけるバックオフィスDXで解消できる「課題」

多くの中堅・中小企業では人事労務業務において以下のような課題を抱えていることが少なくありません。

  • 紙媒体での煩雑な管理: 雇用契約書、給与明細、各種申請書類などを紙で保管・管理しているため、 検索や更新に時間と手間がかかります。
  • 手作業によるヒューマンエラー: 勤怠データの集計や給与計算、社会保険手続きの申請書作成などで入力ミスや計算ミスが発生するリスクがあります。
  • 情報共有の遅延や属人化: 各部署で情報が分断されていたり、特定の担当者しか業務内容を把握していなかったりするため業務の停滞や引き継ぎの非効率につながることがあります。
  • 法改正への対応の遅れ: 労働基準法や社会保険関連法規の改正に際し、情報収集や対応に手間取り違反リスクが生じることが考えられます。
  • 採用活動の非効率性: 応募者管理や面接調整など採用プロセスにおいて手作業が多く、機会損失につながる可能性があります。

3. 人事労務のDXで知っておきたい「制度のポイント」と法改正の動向

人事労務におけるDXを推進する上で、国の制度や法改正の動向は重要なポイントとなります。

電子申請の義務化の現状

厚生労働省および日本年金機構では、社会保険や労働保険の特定の手続きにおいて、オンラインによる電子申請を推進しています。特に、2020年4月以降、資本金1億円を超える特定の法人については、以下の手続きが電子申請の義務化の対象となっています。

  • 健康保険・厚生年金保険の被保険者賞与支払届
  • 健康保険・厚生年金保険の被保険者報酬月額算定基礎届
  • 健康保険・厚生年金保険の被保険者報酬月額変更届
  • 雇用保険の年度更新手続き
  • 労働保険の各種届出

義務化の対象は現時点(2026年3月12日)で一定の企業規模に限定されていますが、今後、対象となる法人や手続きが拡大される可能性も考えられます。電子申請は、手続きの効率化や行政コストの削減に大きく寄与するため、対象外の企業においても積極的に検討されることをお勧めします。

電子帳簿保存法の改正

  • *2022年1月1日に施行された電子帳簿保存法の改正は、人事労務におけるDX推進を強力に後押ししています。特に、2024年1月1日以降**は、電子取引で授受したデータは電子データのまま保存することが原則として義務化されました。これにより、給与明細や源泉徴収票、労働条件通知書などの電子交付・保存がより一般的になり、ペーパーレス化が一層進むと考えられます。

働き方改革関連法とDX

  • *2019年4月より順次施行されている**働き方改革関連法は、時間外労働の上限規制、年次有給休暇の年5日取得義務化、同一労働同一賃金など、多岐にわたる内容を含んでいます。

これらの法律を遵守し、適切に運用するためには、正確な従業員の労働時間管理や有給休暇の取得状況の把握が不可欠です。勤怠管理システムなどのデジタルツールを導入することで、これらの法律への対応が格段にスムーズになります。

個人情報保護法の改正

  • *2022年4月1日に改正された**個人情報保護法は、個人情報の保護を強化し、企業に一層厳格な管理を求めています。人事労務分野では、従業員の個人情報を取り扱う機会が多いため、DXを進める上では、情報の適切な管理、セキュリティ対策の徹底、そして漏洩時の迅速な対応体制の構築が非常に重要となります。

4. 会社がとるべき「バックオフィスDX」への対策

人事労務のバックオフィスDXを成功させるためには以下の対策を段階的に進めることが有効です。

  • DX推進計画の策定:
  • まずは、現状の課題を具体的に洗い出しDXによって何を達成したいのか目標を明確にしましょう。
  • 具体的な導入スケジュールや予算、担当者を決めることが大切です。
  • クラウド型人事労務システムの導入:
  • 勤怠管理、給与計算、人事情報管理、年末調整、入社・退社手続きなどを一元的に管理できるクラウドシステムが多数提供されています。
  • 自社の規模や業務内容に合ったシステムを選定することが、【業務効率化】への近道です。
  • システムを導入することで、以下のメリットが期待できます。
  • 勤怠管理の自動化とリアルタイムでの集計
  • 給与計算の正確性とスピード向上
  • 人事情報の一元管理によるスムーズな情報共有
  • 入社・退社手続きや社会保険・労働保険の電子申請対応
  • ペーパーレス化の推進:
  • システム導入と並行して、雇用契約書、労働条件通知書、 給与明細など、従業員に交付する書類の電子化を進めましょう。
  • 電子帳簿保存法の要件を満たす形で保存することで、保管コストの削減にもつながります。
  • 従業員への教育・研修:
  • 新しいシステムやツールの導入には、従業員の理解と協力が不可欠です。
  • 操作研修や説明会を丁寧に実施し、デジタルツールへの慣れを促しましょう。
  • セキュリティ対策の徹底:
  • 人事情報は機密性の高い個人情報です。システムの選定時や運用時には、情報漏洩のリスクを最小限に抑えるための強固なセキュリティ対策が施されているか確認しましょう。
  • 個人情報保護法遵守の観点からも非常に重要です。
  • 専門家との連携:
  • 法改正への対応やシステムの選定、導入後の運用など、不明点や不安な点が生じた場合は、専門家である社会保険労務士やITベンダーに相談することも有効な手段です。

まとめ

【バックオフィスDX】は、単なるITツールの導入にとどまらず人事労務業務のプロセス全体をデジタル技術で変革し、企業の競争力を高めるための重要な取り組みです。人事労務のDXを進めることで、以下のような多くのメリットを享受できます。

  • 業務の効率化と生産性の向上
  • 人件費やコストの削減
  • 法改正への迅速な対応とコンプライアンスの強化
  • 従業員満足度の向上と戦略的な人事への転換

電子申請の義務化や電子帳簿保存法の改正など、国の法制度もDXを後押ししています。段階的な導入と従業員への丁寧なフォローアップが成功の鍵となりますので、ぜひ貴社の人事労務DXを一歩ずつ進めてみてはいかがでしょうか。

ご不明点やご不安な点があれば是非当事務所へお問い合わせください。

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