「うちは15分単位で残業を切り捨てている」「1分単位までは管理していない」
このような企業は少なくありません。しかし現在、未払い賃金請求は“3年さかのぼり”が原則となっています。労働時間管理が曖昧なままでは、大きなリスクを抱えることになります。
今回は、企業が知っておくべきポイントをQ&A形式で解説します。
Q1:なぜ1分単位で労働時間を管理しないといけないのですか?
労働基準法上、労働時間は原則として1分単位で把握・計算する必要があります。
例えば、毎日10分の切り捨てがあれば、月20日勤務で約200分(約3時間20分)。これが1年、3年と積み重なると大きな未払い残業代になります。
「15分未満切り捨て」「端数調整」は、原則として違法となる可能性が高いのです。
Q2:未払い賃金は本当に3年もさかのぼられるのですか?
はい。現在、賃金請求権の時効は原則3年です。
従業員や退職者から未払い残業代を請求された場合、過去3年分を一括で支払う必要が生じます。
さらに問題なのは、
・遅延損害金
・付加金(裁判になった場合)
・社会保険料の追加徴収
など、本来の未払い額以上の負担になるケースがあることです。
従業員1人あたり数十万円、場合によっては100万円超になることも珍しくありません。
Q3:自己申告制の勤怠でも問題ないですか?
自己申告制自体は違法ではありません。
しかし、
・実態と合っていない
・上司が修正している
・客観的記録がない
このような場合、労働基準監督署の調査や訴訟で不利になります。
現在は、客観的な記録による労働時間把握が求められています。タイムカード、ICカード、PCログ、クラウド勤怠システムなどが代表例です。
Q4:未払い賃金リスクを防ぐにはどうすればいいですか?
最も効果的なのは、勤怠管理システムの導入と運用ルールの整備です。
・1分単位での自動集計
・残業申請と実労働時間の乖離チェック
・36協定超過のアラート機能
クラウド型勤怠管理システムであれば、コストも比較的低く抑えられます。
「うちは大丈夫」と思っている企業ほど、実はリスクを抱えています。
まとめ:労働時間管理の甘さが“3年分の請求”につながる
未払い賃金請求は、ある日突然届きます。
そして、労働時間の立証責任は企業側にあります。
・1分単位で集計していない
・端数処理をしている
・勤怠記録が曖昧
このような場合は、早急な見直しが必要です。
当事務所では、
✔未払い賃金リスク診断
✔勤怠管理体制のチェック
✔勤怠システム導入サポート
✔就業規則・36協定整備
をトータルで支援しています。
未払い賃金請求を受ける前の「予防」が、最大のコスト削減です。
労働時間管理に不安がある企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
