【海外赴任・駐在員】年金保険料の「二重払い」を防ぐには?社会保障協定について

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従業員の海外赴任が決まった際、人事担当者を悩ませるのが「社会保険」の取り扱いです。「日本と現地の両方で保険料を払う必要があるのか?」「将来の年金はどうなるのか?」といった疑問について、国の制度である「社会保障協定」の仕組みをもとにQ&A形式で解説します。

Q1.海外駐在員の年金保険料は「二重払い」になるのですか?

何もしないと、二重払い(二重加入)になる可能性があります。

通常、海外で働く場合はその国の社会保障制度への加入が義務付けられます。一方で、日本の企業に在籍したまま出向する場合、日本の社会保険にも加入し続ける必要があります。その結果、日・米など両国で保険料を徴収される「二重負担」の問題が生じます。 また、現地の年金制度に加入しても、駐在期間が受給資格期間(例:米国は10年)に満たない場合、支払った保険料が掛け捨てになるリスクもあります。

Q2.二重払いを防ぐ方法はありますか?

「社会保障協定」により、加入する制度を一本化できます。日本と協定を結んでいる国への派遣であれば、「適用調整」というルールが適用されます。

  • 派遣期間が5年以内の見込み: 相手国の制度加入が免除され、日本の年金制度のみに加入します。
  • 派遣期間が5年を超える見込み: 原則として相手国の制度のみに加入します。

※この適用を受けるには、日本の年金事務所へ申請し「適用証明書」の交付を受ける必要があります。

Q3.将来の年金受給期間が足りなくなるのが心配です。

両国の年金加入期間を「通算」できる仕組みがあります。

社会保障協定には「保険期間の通算」という仕組みがあります。 例えば、アメリカの年金受給には10年の加入期間が必要ですが、アメリカでの加入が8年しかなくても、日本の加入期間(例:15年)を足し合わせて要件を満たせば、アメリカの年金を受給できるようになります(受給額は加入期間に応じた額となります)。

Q4.どの国でも適用されますか?

協定が発効している国に限られます。

2025年12月1日に発効するオーストリアを含め、日本は24カ国と協定を結んでいます(アメリカ、ドイツ、フランス、中国、韓国、ベトナム等)。 ただし、イギリス、韓国、中国、イタリアの4カ国については「保険料の二重負担防止」のみが対象で、年金加入期間の通算は行われないため注意が必要です。 海外赴任に関する社会保険手続きは当事務所にお任せください 社会保障協定の申請や、海外給与の取り扱いなど、複雑な実務をサポートいたします。お気軽にご相談ください。

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