就業規則変更の周知とは?義務の理由と適切な方法を解説

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就業規則変更の周知とは?義務の理由と適切な方法を解説

就業規則は、会社と従業員が共通のルールのもとで働くための重要な指針です。
しかし、法改正や社内制度の見直しにより就業規則を変更した際、「作成して届け出れば終わり」と考えてしまうと、思わぬトラブルを招く可能性があります。
実は、就業規則は従業員に正しく周知されてはじめて法的な効力を持つとされています。
変更内容が十分に伝わっていなければ、会社側が意図したルールが適用されなかったり、労使間の認識のずれから紛争に発展したりすることも少なくありません。
この記事では、就業規則の変更時に求められる周知義務の基本を押さえたうえで、具体的な周知方法や注意点、特に慎重な対応が求められる不利益変更の場合のポイントについて、分かりやすく解説していきます。

就業規則の変更周知義務と理由

会社のルールブックである就業規則は、変更のたびに従業員へと正しく伝えられる必要があります。
これは単なる手続きではなく、従業員が安心して働き、会社との間で労働条件に関する認識のずれが生じないようにするための重要なプロセスです。
もし、この周知が不十分であった場合、どのような事態が起こりうるのでしょうか。
従業員が会社のルールを理解し、遵守できる環境を整えることは、円滑な労使関係を築く上での基本となります。

就業規則の効力発生に周知は必須

就業規則が法的な効力を持ち、会社と従業員双方に適用されるためには、その内容を従業員に周知することが不可欠です。
これは、労働基準法によって定められた使用者の義務であり、単に作成・届出をするだけでは十分ではありません。
従業員が就業規則の内容を正しく理解し、いつでも確認できる状態にすることが求められます。

周知義務違反は罰則や効力無効を招く

就業規則の周知義務を怠った場合、労働基準監督署から指導や是正勧告を受ける可能性があります。
さらに、違反が悪質であると判断された場合には、30万円以下の罰金が科されることもあります。
また、従業員が就業規則の内容を「知らない」「確認できない」といった状況では、就業規則自体が無効と判断されるリスクも生じます。
これは、労使間のトラブルが発生した際に、会社側が不利な立場に置かれる原因となりかねません。

就業規則の変更周知方法と注意点

就業規則の変更を従業員に伝える際には、いくつかの方法が考えられます。
それぞれの方法にはメリット・デメリットがあり、会社の状況に応じて適切な方法を選択し、注意点を理解しておくことが重要です。

掲示書面交付データ共有の3つの方法

労働基準法では、就業規則の周知方法として、主に以下の3つが例示されています。

1.常時各事業所の見やすい場所への掲示または備え付け:休憩室や更衣室など、従業員が自由に閲覧できる場所に掲示したり、冊子にして備え付けたりする方法です。
複数の事業所がある場合は、それぞれの場所で行う必要があります。

2.書面での交付:就業規則を印刷したものを、個々の従業員に配布する方法です。
確実に手元に渡りますが、印刷コストがかかることや、外部への情報漏洩リスクも考慮する必要があります。

3.パソコンなどでデジタルデータとして記録し、従業員がいつでもアクセス閲覧できるようにする:社内サーバーやクラウドストレージなどを利用して、従業員がいつでも閲覧できる状態にする方法です。
テレワークなどにも対応しやすい現代的な方法ですが、アクセス権限の設定や、ダウンロード・印刷の制限なども検討が必要です。

変更内容や対象範囲の周知も重要

周知すべきは、就業規則の全体だけでなく、変更された箇所についても、その内容や変更理由を明確に伝えることが望ましいです。
また、周知の対象は、正社員だけでなく、パートやアルバイト、契約社員など、すべての従業員に及びます。
一部の従業員のみに周知したり、口頭での説明のみで済ませたりするような方法では、周知義務を果たしたことにならないため注意が必要です。

不利益変更時は慎重な周知が求められる

会社の経営状況や事業環境の変化などにより、就業規則を従業員にとって不利な内容に変更(不利益変更)せざるを得ない場合があります。
このような場合、原則として従業員個々の同意を得ることが不可欠です。
たとえ変更に合理性があったとしても、十分な説明や丁寧なコミュニケーションを欠いたまま一方的に変更を進めると、従業員の反発を招き、労働トラブルの原因となる可能性があります。
個別面談や説明会などを実施し、従業員が内容を正確に理解できるよう、慎重に進めることが求められます。

まとめ

就業規則の変更における周知義務は、単なる形式的な手続きではなく、従業員との信頼関係を築き、円滑な組織運営を行う上で極めて重要な要素です。
周知が不十分な場合、罰則の対象となったり、就業規則そのものの効力が否定されたりするリスクがあります。
掲示、書面交付、データ共有といった適切な方法を選び、変更内容や対象範囲を明確に伝えることが肝要です。
特に、従業員に不利な変更を行う際には、十分な説明と丁寧なプロセスを踏み、従業員の理解を得ることが不可欠です。
最終的には、就業規則が実効性を持つためには、従業員への周知だけでなく、その内容が日々の業務で遵守され、浸透していることが最も大切と言えるでしょう。

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