現物給与とは?社会保険料計算における扱いのポイント

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現物給与とは?社会保険料計算における扱いのポイント

給与は一般的に現金で支払われますが、食事の提供や住居の貸与など、現金以外の形で支給されるケースも少なくありません。
こうした現物で支給される給与は、労働保険における賃金の取り扱いや、社会保険における標準報酬月額の算定において、それぞれ異なる扱いが求められます。
今回は、現物給与の基本的な定義から、労働保険と社会保険それぞれの視点での扱いの違いについて解説します。

現物給与とは何か

現金以外で支払われる賃金

現物給与とは、労働の対償として現金以外で支払われる給与のことを指します。
具体的には、食事の提供、住居の貸与、自社製品の支給、通勤定期券の提供などが該当します。
ただし、事業主が任意で、あるいは恩恵として行うものや、実費弁償的な性格を持つものは、労働の対償とはみなされないため、賃金には含まれません。

労働保険上の定義

労働保険における賃金とは、労働基準法で定められる「賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うもの」を指します。
この定義には、現金給与だけでなく、現物給与も含まれます。

現物給与として扱われる具体的なケースとしては、食事の提供が挙げられます。
住み込みの労働者で1日2食以上の給食が常態である場合や、特定の条件を満たさない場合などに、現物給与とみなされます。
住居についても、住宅手当が一律に支給されている場合などに現物給与とみなされることがあります。

なお、現物給与として代金を徴収する場合でも、その徴収額が実際費用の3分の1を下回るときは、実際費用と徴収額との差額が賃金として取り扱われます。

社会保険で現物給与はどう扱われる

標準報酬月額の計算方法

社会保険においては、現物給与も報酬とみなされ、標準報酬月額の算定に含まれます。
現物給与の価額は、厚生労働大臣が定める基準に基づき、都道府県ごとに定められた額などを参考にして計算されます。
そして、労働者から徴収される自己負担額を差し引いた金額を、現金給与と合算して標準報酬月額が決定されます。

例えば、社宅の賃料相当額がそのまま現物給与となるわけではなく、建物の広さや立地、労働者の負担額などを考慮して算定された金額が、報酬として扱われます。

価額の改定について

厚生労働大臣が定める現物給与の価額は、毎年改定されることがあります。
例えば、食事の現物給与価額は、毎年4月1日に改定されるのが一般的です。

現物給与の価額が改定された場合、それは固定的賃金の変動に該当することがあります。
その場合、事業主は「被保険者報酬月額変更届」を年金事務所に提出する必要が生じることがあります。
また、健康保険組合によっては、現物給与の価額の算定方法が異なる場合もあるため、確認が必要です。

まとめ

現物給与は、現金以外の方法で労働の対償として支払われる給与であり、食事や住居の提供などが代表例です。
労働保険においては、賃金として扱われるかどうかの判断基準が設けられています。
一方、社会保険においては、現物給与も報酬とみなされ、標準報酬月額の算定に影響を与えます。
その価額は厚生労働省の基準に基づき算定され、毎年改定されることもあるため、固定的賃金の変動として報酬月額変更届の提出が必要になる場合もあります。
現物給与の取り扱いは複雑なため、正確な社会保険手続きのためには、その定義や算定方法、関連する法改正について理解を深めておくことが重要です。

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